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<焼成知識>ご注意ください!ガラス器の焼成について

ガラス器の焼成についてご注意ください

ガラス器への上絵付けは素材の変形を防ぐため、磁器の焼成温度により200℃以上低い温度で焼成します。
そのため、材料も磁器用と比べて低融点のガラス用転写紙やガラス用上絵の具などを使用します。

ガラス器の素材の種類や形状、また転写紙や上絵の具によって、それぞれの標準焼成温度が異なりますので、
ガラス上絵付けの難しさや偶然性を十分理解し、焼成温度には注意が必要です。


ガラス作品の焼成温度はガラス用転写紙、絵の具の焼成温度を基本に、
ガラス器がその焼成温度に耐えるか、ガラス器の形状、使用電気炉の特徴などを考慮して設定します。
また、ねらし時間や焼成スピードも作品全体にかかる熱に関係するため、調整が必要です。

まずは、実際の作品を焼成する前に試し焼きをして、
自分の使用する電気炉では、どのような作品をどのような設定で焼成するとよいかを確認し、焼成温度を決定しましょう。

※日本キルンアート協会取り扱いのガラス用の転写紙、上絵の具、金などはソーダガラス専用です。
ソーダガラス以外には焼き付かなかったり、ガラス器が焼成に向かないことがあります。

[ガラス用絵付け材料(転写紙、上絵の具、金など)の焼成温度]570~600℃程度
高温の方が艶が良く、ガラスへの定着も高まります。
*メタリック(雲母)系は高めの温度設定でねらしを長くした方が、定着がよくなります。

[一般的なガラス器(ソーダガラス)の焼成温度]550~600℃程度
ガラスの形状(全体の形、ガラスの厚みなど)や電気炉の機種、炉内の置き位置や作品を入れる量によっては、
この温度の範囲内であってもゆがみが生じます。
また焼成全体の時間の長さや焼成回数により、この温度の範囲内であってもゆがみが生じます。

[ガラス絵付けの焼成温度]570~600℃程度
作ろうとする作品に使用する絵付け材料とガラス器の焼成可能温度の範囲内でガラス器の形状を考慮して設定しましょう。
日本キルンアート協会では、ガラス用絵付け材料の仕様面から570~600℃程度を基本として考えることをおすすめします。
ガラス用絵付け材料の定着には600℃程度に上げることが望ましいですが、よほど均一でシンプルな形状のガラス器でないと、
ゆがみのリスクは避けられません。


焼成温度はあくまで目安であるため、素材や焼成環境によって仕上がりが異なります。
厚みのあるガラスや不均一な形状、穴あき皿などは、急熱急冷により熱周りの違いにより膨張のひずみで、割れやゆがみが生じることがあります。
電気炉の仕様によっては温度が上がりすぎないよう、温度は低めで、ねらし時間は短く設定します。